子ども主体の保育と劇遊びの大切さ

発表会は子どもの成長発達のために必要な行事として、多くの園で行われています。演目は各施設で様々ですが、当園では運動会ではダンスやパラバルーンなどの身体表現を、発表会では劇遊びを行うようにして、運動会か発表会のどちらかに楽器演奏を入れるなど、全体を通してバランスの良い経験となるように設定しています。

 

劇遊びはお話に出て来る役になりきって、集団で行う遊びです。子どもたちは劇遊びをよりよいものにするために話し合いをしたり、仲間とイメージを共有しながら1つのお話を考えたりします。そういった経験の中で、みんなと同じ目標に向かって進んでいく面白さや達成感を味わい、自信が持てるようになっていきます。ときには、友達と意見がぶつかってしまったり、自分の苦手なことに向き合い葛藤することもあるでしょう。しかし、そのような経験を乗り越えて、自分たちで創り上げた演目を披露することで、やりぬく力や仲間と協力する力(非認知能力)などが育っていきます。そして、これを毎年積み重ねていくことが、子どもたちの力を伸ばしていくためには必要です。教科学習のために行っている活動ではありませんが、園で行う遊びは小学校にもつながっていきます。例えば国語の授業で「このときの〇〇の気持ちはどんなだろう?」という読み解きには、劇遊びの経験がきっと活かされるでしょう。

 

このように良いことだらけのように思える発表会や劇遊びの活動ですが、中心に「子ども」を置かないと、保護者に見せるための発表会になってしまったり、やらせる活動になってしまうことがあります。特に劇遊びは練習期間が長く必要なことから、子どもにとって適切な負荷を超えてしまうこともあります。これでは何のために行う行事なのか分かりません。そのため、子どもの主体性(当事者性)が発揮できる活動にすることが大切になってきます。自分のこととして取り組むことができると「楽しい」という感覚が芽生え、その活動に強い興味関心を持つことができます。加えて子どもが自発的に動くので負荷も適切な範囲内におさまります。そして強い興味関心を持った活動は、子どもの成長発達を最も促すことが分かっています。