みなさんはAIを使ったことはありますか?ChatGPTに代表される生成AIは思考力を持っているように思われるのですが、本質は違います。極端に言うとAIは優秀な文字列予測システムで、スマホでメッセージを打つときにでる変換候補のすごい版ということです。つまり人間が聞いていることを理解して回答しているわけではありません。
では人はどうやって言葉を理解しているのか・・・・・
例えば「梅干し」という言葉から何を連想するでしょうか。丸い形で色は赤っぽい色でシワシワしています。少し水分を含んだやわらかいタイプもあれば、塩が浮き出ているような乾燥したかたいタイプもあります。食べると酸味とともに爽やかな梅の香りがして、食欲を誘います。このように言葉は単に視覚でとらえたものと言葉を一対一で覚えるというわけではありません。目で見た色や形、触ったときの感触、味やにおい、食べたときの感触など五感で感じたものや、誰かと一緒に食べたときの思い出とセットにして覚えていきます。梅干しの写真を見ると酸っぱい味を想像して唾液が出てしまうのは、そのためです。そしてたくさんの経験とともに言葉がたくさん溜まっていくと、抽象化された「概念」というものに発展していきます。言葉の抽象化は、例えば食べ物→日本食→漬物→梅干しというように階層化されていって、最も具体化された「梅干し」というものと、日本食であったり漬物というような概念を獲得していきます。
たくさん五感を使ってきた子は、抽象化が進んでいます。例えば足すというのは、砂場でバケツに砂を入れていくイメージで、目に見えて砂が増えていくことや、合わせて重さや体積も増えていくことだと分かります。引くというのは砂の溜まったバケツをひっくり返してケーキを作ったとき、バケツの中の砂はすべてなくなって軽くなったり体積が減ったことを理解しています。「引く」は「足す」の逆なので、大人からすると「足す」だけ分かれば「引く」も分かると考えますが、そうではありません。両方の経験があるからそれぞれの理解が進むのです。
目の前に具体的なものが無くても頭の中でイメージして、そのイメージを紙の上で数字という記号に置き換えて答えを求めるのが算数です。このとき頭の中でイメージできるものは乳幼児期から積み重ねたものになりますので、ご家庭でも動画は控えめにして、たくさん五感を使って遊ぶことを意識して欲しいと思います。
