発表会

 

 

今年度は全部で8演目を披露させて頂きまして、開演から閉演までおよそ1時間半くらいでした。5年前はこのおよそ2倍の16演目となっていたので当時と比べると人によっては寂しくなった・物足りないと感じる方もいたのかもしれません。業界全体で見ても発表会をはじめとする行事を見直して、廃止したり縮小する園が増えてきたように思います。

 

 

これから子どもたちが歩む道は私たちが経験してきたものとはまったく別の次元になってきます。超高齢化社会となり人口は減少し、働き手が激減します。その分を最新のテクノロジーでカバーすべくめざましい技術の進化を遂げました。パソコンやスマホの性能が進化してAIが誕生し身近になりました。これからは決められたルールに基づく作業はすべてロボットやAIが人に替わって行う社会になっていくと思います。そのような社会で求められる資質は新しい考えやものを作り出すことができる創造性なのかなと思います。

 

創造性の基盤を築くためには子どもの主体性を引き出す教育・保育が必要だと思います。それには従来の先生がすべてを準備・指導してその結果を披露するというスタイルでは不十分だと思います。子どもが表現遊びの中で自ら作り上げていったものが自然と形になったものを披露するようにできるのが良いですが、従来の演目数では職員が準備と指導に追われてそのような関わりを増やすことができません。今年度はまず子どもの主体性を引き出すための土台が作れたらと思い、年間を通して表現遊びが重複しないよう運動会で踊りを披露したのであれば発表会では同じ表現遊びはしない、低年齢児は劇の中で踊りの要素を入れてあげた方がリラックスしてできるかななど様々な調整をした結果、演目数が減り、主体性を引き出す教育保育を行う土台を整えることができました。

 今後は例えば子どもたちが自ら考えて何をするのかを決めたり、衣装を作ったり使う道具や飾りを作ったりなどの活動をより多く取り入れて今よりももっと子どもたちが自分たちで作り上げていけるような方向性をとっていきたいと思います。

 

私たちの園はお遊戯室のような保育室とは別の広い空間がないためホールを借りて発表会を行っています。ホールの大きな舞台で行うとどうしても「見せる」という要素を意識して完成度を高くすることに目が行きがちですが、今年の発表会はそれよりも子どもたちが普段の生活の延長線上で遊びとして楽しめるように工夫されていたため、クラスのカラーが色濃く出ていてとても素晴らしい発表会になったと思います。